“ボラティリティ”を理解してトレード効率を上げよう!

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ボラティリティとは?

ボラティリティ(Volatility)は、簡単に言うと株価や通貨の値動きの変動率(値動きの度合い)を意味します。略して“ボラ”と呼ばれることが多いです。外国為替では、相場が大きく動いている(価格変動が大きい)状態を「ボラティリティが高い」、相場の動きが小さい(価格変動が小さい)状態を「ボラティリティが低い」と表現します。

ボラティリティは、その金融商品のリスクの度合いとして捉えるのが一般的です。ボラティリティが大きい商品はリスクが高く、ボラティリティが小さい商品はリスクが低いと判断されます。ボラティリティが高い=リスクが高いとも言えますが、そもそもボラティリティが全くなければ外国為替取引などで利益を出すことはできません。なぜなら、価格が上がったり下がったりしたところで売ったり買ったりして初めて利益を出すことができるからです。つまり利益を狙うのであれば、どの資産の価格が動いているかボラティリティのあるマーケットがどこにあるのかを見つけることが大切です。

外国為替取引では、どの通貨ペアを選択するかどの時間帯に取引するかによってボラティリティが変わってきます。FXやバイナリーオプションでは値動きを利用して利益を生み出すため、ボラティリティを知ることは重要です。利益を得るためにはある程度のボラティリティが必要になりますが、あまり大きすぎると予想外の動きをして大きな損失となってしまうこともあります。

自分の経験やレベルにあった通貨ペアや時間帯の選択を心がけましょう。

通貨ペアによるボラティリティの違い

ボラティリティは市場の流動性(持っている資産をすぐに交換できるかどうか、市場に参加している売り手と買い手の多さ)が大きく関係します。

例えば、外国為替取引では、米ドル円(USD/JPY)やユーロ米ドル(EUR/USD)などの通貨ペアは市場参加者が多く、売り手も買い手も豊富なので価格の動きが比較的安定し、ボラティリティが低くなる傾向にあります。そのため、値動きを観察する余裕ができ初心者に向いていると言えます。

一方、南アフリカランド円(ZAR/JPY)やトルコリラ円(TRY/JPY)などの通貨ペアはメジャー通貨と比べると流動性が低くボラティリティが高くなる傾向にあります。そのため、予想外の値動きや急激な変動も起きやすく初心者にはおすすめできません。

メジャー通貨のなかで最もボラティリティが大きいのはポンドと言われています。こちらも初心者にはおすすめできない通貨です。ボラティリティの大きさは一覧表がありますので、どの程度の大きさか確認して取引していきましょう。

時間によるボラティリティの違い

外国為替取引は、年末年始・土日を除けば平日24時間取引可能です。日本の祝日も海外では休みではないので24時間取引できます。つまり、自分の都合の良い時間に取引が可能ということになります。

しかし、地域によって値動きが変わる時間帯があります。経済指標の発表など特別なことがあれば別ですが東京・ロンドン・ニューヨークそれぞれ時間帯ごとに次のような特徴があります。

・東京時間の値動き(日本時間9時〜15時)

9時〜15時の東京時間の値動きは穏やかで、前日の値動きが継続するケースが多いです。トレンドが発生する際も緩やかな動きで、ボラティリティも小さい時間帯となる傾向です。

・ロンドン時間の値動き(日本時間16時〜24時頃)

ロンドン時間は日本時間で16時〜24時頃のことを言います。

ロンドン時間は東京時間と比べて値動きが大きくなる、ボラティリティの大きな時間帯となります。値動きも大きいので、ロンドン時間の値動きに乗ることができれば値動きの大きさから利益を狙っていくことも可能になります。ロンドンの為替取引市場は世界一であり、もっとも大きな値動きが起きる市場です。

・ニューヨーク時間の値動き(日本時間22時〜6時)

ニューヨーク時間は日本時間で22時〜6時のことを言います。

ニューヨーク時間とロンドン時間が重なる22時〜24時はもっとも値動きが大きい時間帯です。ニューヨーク時間もロンドン時間と同様、値動きが大きくボラティリティが大きい時間帯で、日本時間の深夜3時〜4時頃も大きな値動きとなる時間帯となっています。

このようにボラティリティは時間帯によって異なるため自分のスタイルにあった時間帯を選ぶようにしましょう。

ボラティリティの種類

・ヒストリカル・ボラティリティ(HV)

ボラティリティには2種類あり、過去の価格変動率をもとにして計算したものがヒストリカル・ボラティリティです。これは過去に対象資産の価格がどの程度変動したかを示す指標となっています。

ヒストリカル・ボラティリティは歴史的変動率とも呼ばれ、過去のデータに基づいて将来の変動率が計算されています。日々の資産(通貨や株価などの対象となる資産)の変化率の平均値として計算されています。

・インプライド・ボラティリティ(IV)

ヒストリカル・ボラティリティが過去のボラティリティに基づいているのに対し、未来のボラティリティを表しているのがインプライド・ボラティリティです。

このインプライド・ボラティリティは、オプション価格から逆算して計算し市場参加者の将来の予想が反映されるものであり、市場動向の分析に使用できます。

またオプション取引におけるテクニカル指標の1つで将来の変動率(ボラティリティ)を予想したものであり予想変動率とも呼ばれます。

過去のボラティリティを知ることも大切ですが、重要なのはこれから先のボラティリティです。したがって、インプライド・ボラティリティの方を重視するべきであると考えらてれいます。

ボラティリティの活用方法

ボラティリティはトレードの判断に活用できます。デイトレードやスキャルピングなどの短期取引の場合、ある程度の値動きがないと利益を出すことはできません。

そのため、ある程度大きなボラティリティの通貨ペアや時間帯を選ぶことが大切です。その際にはどの程度の大きさなのか、また値動きの性質などを加味しながら選ぶことが大切です。

まとめ

ボラティリティとは何か、何がわかる指標なのか、使い方などを説明しました。投資には価格の変動がつきものです。そして、その変動幅が大きなものもあれば小さなものもあり、動き方の性質も取引する時間帯によって異なります。

長期と短期では使い方は異なり、長期投資ならばボラティリティが小さく低リスクで大きなリターンを得るための判断材料として用い、FXやデイトレード・スキャルピングトレード等の短期売買では変動の幅を活かして利益を得る取引のため、これに適したボラティリティを選ぶために活用できます。

このように長期でも短期でも投資においては許容できるリスクの幅を考えること、あるいは値動きを利用してリターンを得るためにこのボラティリティを読むことが重要です。

ご自身の目的やスタンスに合った投資のために活用してください。

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